デザイン?よく分からんよな.僕もよく分からん.
はじめに
"デザイン"という言葉の意味を確認します.
デザイン【design】
① 下絵。素描。図案。
② 意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。
『広辞苑 第六版』(岩波書店)より.
ここで注意しなければいけないのは,"デザイン" という単語は,装飾 を意味しているのではなく 設計 を意味してる という点です.良いデザインは,良い装飾という意味ではなく,良い設計という意味です.もちろん,装飾も設計の一部に含まれると思います.
なぜデザインを考えるのか
私達は普段の生活において,「伝える」という行動を頻繁に行っています.例えば,「ハンバーガーが美味しかった.」という情報を Twitter に投稿する.研究成果のプレゼンテーションを行う.プルリクエストに対してレビューを送る. これらはすべて,「伝える」という行動です.
物事を伝えるとき, 伝える人と受け取る人がいて成立します. 伝えるときに,全く違った情報が混ざっていたり,適切な表現がされていなければどうでしょうか? 全く伝わってきません.
すなわち "デザイン" を考えることは,「伝え方」を考えるということ です.
どのようなデザインが良いのか
良いデザインの多くに共通する基本原則として,
- 反復
- 整列
- 近接
- コントラスト
があります.
反復
特徴を繰り返すことによって,全体の統一感を作り上げることができるという法則です.
並列性のある要素に対して,繰り返しが行われているとスムーズに情報を得ることが可能です.
反復の原則に従わない場合
唐突に別の情報が入ってきて受け取り側が混乱してしまいます.また,フォントが全て違っているので,並列の情報として受け取っていいのかも悩みます.
反復の原則に従う場合
並列性のある情報が正しく配置されているので,スムーズに情報を受取ることができます.
整列
揃えることができる要素は,揃えて配置することによって違和感がなくなるという法則です.
少し調節するだけで,スッキリとした印象になります.
整列の原則に従わない場合
サイズがバラバラで,違和感を感じます.
整列の原則に従う場合
わかりづらいので補助線を引きます.
全体的にすっきりと収まっているので,情報の階層構造がわかりやすいです.
近接
関連の強いものを近くに配置し,関連の弱いものは遠くに配置するという原則です.
近くに配置することによって一つのまとまった情報に見えます.逆に違った情報である場合,余白を設けることによって別の情報であると直感的にわかりやすくなります.
近接の原則に従わない場合
インコの情報がバラバラに配置されているので,対応関係を確認するのに手間がかかります.
近接の原則に従う場合
情報がまとまって表示されているので,情報をまとまりとして受け取ることができます.
コントラスト
情報に強弱を付けるということです .文字のサイズや太さ,色を変えることで情報に強弱を付けることができます.
コントラストの原則に従わない場合
すべての文字が同じ大きさなので,どの情報が重要か分かりづらいです.また 文字と写真の大きさが中途半端なので,何を伝えているのかよくわかりません.
コントラストの原則に従う場合
鉄橋の写真ということがわかり,鉄橋が残っているとひと目で分かります.
まとめ
良いデザインは,
- 反復
- 整列
- 近接
- コントラスト
という点で調整されている場合が多いです.なので良いデザインを作ろうと考えたとき,この原則を思い出して検討することで 伝わりやすくて良いものになります.
おわりに
私は "デザイン" を「伝え方」であると表現しました.しかし,デザインは人によってそれぞれであり,"デザイン" を「マナー」としている方もいますし,"デザイン" を「ユーザーとの関係性をかたちにすること」と表現されている方もいます.
このように,"デザイン"というものの捉え方は人によってそれぞれです.一つの考え方にとらわれず,自分にあった考え方を持つことこそがデザインの本質ではないでしょうか.
『伝わるデザインの基本』を下さった yonex 氏に感謝しています.
参考文献
伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール
- 作者: 高橋佑磨,片山なつ
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/08/05
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- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
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